一つ目小僧
一つ目小僧(ひとつめこぞう)は、江戸時代の絵草子や随筆に現れ、京阪を中心に東海・関東にも伝わる一つ目の小僧姿の妖怪。

- 分類
- 妖怪
- 分布
- 近畿地方を中心に、東海・関東にも伝わる
解説Overview
概要
一つ目小僧は、一つ目で小僧の姿をした妖怪である。柳田國男は『妖怪談義』所収「一つ目小僧のこと」で、近畿地方を中心に、時に東海・関東方面まで分布する伝承として記録している。柳田は、一つ目小僧を「一つ目入道」と同種のものと見なし、その分布は全国に及ぶと述べた。
江戸期の記録
江戸時代の随筆・絵草子には、すでに一つ目小僧の名が見える。寛政年間の『三州横山話』には、三河国(現・愛知県)で、夜中に戸を開けて現れる一つ目の小僧の話が収められている。また、山東京伝の黄表紙や、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』にも、名を直接は記さないものの、一つ目の小さな妖怪の姿が描かれた。
姿と性質
一般的には、身の丈は三、四尺(約九十~百二十センチ)の小僧で、目が一つしかない。頭には一本の角が生えるともいう。夜に人家に現れ、人を驚かせるが、直接的な危害は加えないとされる。その正体は、山の神の使いや、神の落とし子とも解釈された。
地域差
呼称は地域によって異なる。近畿では「一つ目小僧」、東海では「一つ目入道」「目一つ坊」、関東では「一つ目小法師」などと呼ばれ、おおむね同じ特徴を持つ。柳田は、これらの呼称の違いを、伝承の分布と変容の証左として扱った。
現代での扱い
現代では、妖怪関連の書籍やデータベースにおいて、一つ目小僧は江戸期の妖怪画や民俗資料を基に紹介されることが多い。国際日本文化研究センターの「怪異・妖怪伝承データベース」にも、一つ目小僧の項目が登録されている。
伝承・史料Lore
柳田國男の記録: 『妖怪談義』所収の「一つ目小僧のこと」で、近畿地方を中心に分布する伝承として紹介。一つ目入道と同種と見なした。
三河の伝承: 寛政年間の随筆『三州横山話』に、三河国で夜中に戸を開けて現れる一つ目の小僧の話が収められている。
絵画資料: 鳥山石燕『画図百鬼夜行』には、名を明示しないが、一つ目の小さな妖怪の姿が描かれている。
出典・参考文献References
- 『妖怪談義』 柳田國男(角川書店) 1957 — 「一つ目小僧のこと」所収
- 『三州横山話』 1790 — 三河国の一つ目小僧伝承
- 『画図百鬼夜行』 鳥山石燕 1776 — 一つ目の妖怪の図
- 『怪異・妖怪伝承データベース』(国際日本文化研究センター) — 一つ目小僧の項目
特集Collections
よくある質問FAQ
一つ目小僧は人を食べますか?
伝承では、直接的な危害を加えることはないとされる。人を驚かせる程度の存在として語られることが多い。
一つ目小僧と一つ目入道の違いは何ですか?
柳田國男は両者を同種のものと見なした。呼称の違いは地域差によるもので、特徴に大きな違いはない。
最終更新: · 編集: 百鬼編集室