山童
九州・四国・中国地方の山間部に伝わる河童の一種で、冬は山に住み、春に川へ下るとされる妖怪。

- 分類
- 河童の一種
- 分布
- 九州・四国・中国地方
- 出現時期
- 冬(山)・春から夏(川)
- 特徴
- 背が低く毛深い、頭に皿
- 性質
- 相撲を好む、馬を川へ引く
解説Overview
山童(やまわろ)は、九州・四国・中国地方の山間部で語られてきた妖怪である。名は「山の童(わらべ)」の意で、山に住む童子のような姿を想定させる。柳田國男は『妖怪談義』で、山童を河童の一種とみなす見方を紹介している。河童は夏の間は川や池に住むが、冬になると山へ入り、春になると再び里の川へ下るという季節移動の伝承があり、山童はその山にいる時期の河童を指す呼称として説明されることが多い。
分布は九州が中心で、宮崎県・熊本県・鹿児島県などに伝承が残る。四国や中国地方にも同種の話があり、地域によって呼び方や細かな特徴が異なる。たとえば宮崎県の山間部では、山童は背が低く、全身に毛が生え、頭に皿があるとされることがある。河童と同様に相撲を好み、人と力比べをするとか、馬を川へ引き込もうとするとかいった話が伝わる。一方で、人に害をなすというよりは、人里離れた山でひっそりと暮らす存在として語られることも多い。
柳田國男の『遠野物語』には、岩手県遠野地方の河童伝承が多数収められているが、山童という語は必ずしも一般的ではない。九州の山童と東北の河童を同一視するかどうかは、研究者の間でも意見が分かれる。佐脇嵩之の『百怪図巻』には、山童らしき妖怪が描かれているとされるが、図像の同定には慎重な検討を要する。
現代では、水木しげるの漫画や妖怪図鑑を通じて、河童の親戚のような存在として紹介されることが多い。冬の間は山にいるという性質から、季節によって姿を変える妖怪として扱われることもある。しかし、その姿や性質は一定ではなく、各地の伝承によって揺れ動いている。山童は、河童信仰と山の神信仰が交差する場所に生まれた、地域色の強い妖怪だと考えられている。
伝承・史料Lore
柳田國男の記述: 『妖怪談義』で山童を河童の一種とする見方を紹介。冬は山に住み、春に川へ下るという季節移動の伝承に触れている。
九州の伝承: 宮崎県や熊本県の山間部では、山童は背が低く毛深い姿で、頭に皿があるとされる。相撲を好み、人と力比べをするとか、馬を川へ引き込もうとする話が伝わる。
『百怪図巻』の図像: 佐脇嵩之の『百怪図巻』に山童らしき妖怪が描かれているとされるが、同定には慎重な検討が必要。
現代の妖怪図鑑: 水木しげるの作品などを通じ、河童の親戚のような存在として紹介されることが多い。
出典・参考文献References
- 『妖怪談義』 柳田國男(修道社) 1956 — 山童を河童の一種として言及
- 『遠野物語』 柳田國男(聚精堂) 1910 — 河童伝承を収録
- 『百怪図巻』 佐脇嵩之 — 古典・基本文献(成書年は版により異なる)
- 『怪異・妖怪伝承データベース』 国際日本文化研究センター — 該当項目の各地事例(2026-09-19)
特集Collections
よくある質問FAQ
山童とは何ですか?
山童(やまわろ)は、九州・四国・中国地方の山間部に伝わる妖怪で、河童の一種とされることが多いです。冬は山に住み、春になると川へ下ると言われます。
山童と河童の違いは何ですか?
河童は主に川や池に住むのに対し、山童は冬の間山に住むとされます。柳田國男は山童を河童の一種とみなしましたが、地域による違いもあり、同一視には慎重な意見もあります。
山童はどこに現れますか?
九州の宮崎県・熊本県・鹿児島県などの山間部に伝承が多く、四国や中国地方にも類似の話があります。
最終更新: · 編集: 百鬼編集室