一目連
一目連は、片目または一つ目の姿で描かれる日本の妖怪で、伊勢の長島城主の霊や風の神ともされる。

- 分類
- 妖怪・怨霊・風神
- 分布
- 伊勢国長島(三重県)を中心に、伊勢湾沿岸
解説Overview
一目連(いちもくれん)は、一つ目または片目の姿で描かれる妖怪である。その名は「一目連」と書かれ、伊勢国長島(現在の三重県桑名市長島町)の長島城にまつわる伝承に由来する。江戸時代の怪談集や地誌類、近代の民俗学資料に散見され、風の神としての性格や、城主の怨霊としての側面が語られる。
由来については、長島城の城主・佐久間信盛の子孫や、戦国時代に長島で戦死した武将の霊とする説がある。また、一目連はもともと伊勢の神であり、風を司る神として信仰されたともいう。『和漢三才図会』や『画図百鬼夜行』などの資料には、一つ目の鬼神としての記述が見られる。
呼称の地域差は明確ではないが、伊勢地方では「一目連」として知られ、風の神として農耕や漁業に関わる信仰があった。姿は、片目のみが大きく描かれることが多く、全身は雲や風に包まれている場合もある。江戸期の絵巻では、一本足や一つ目、あるいは人間の姿に一つ目という表現がなされる。
性質としては、風を起こす力を持つとされ、特に暴風や突風を招くともいわれる。また、怨霊として祟りをなす一方で、信仰によって鎮められると守護神となるという両面性がある。長島城の落城に際して、城主の霊が一目連として現れたという伝承も残る。
時代による変化として、江戸期には妖怪としての性格が強調されたが、明治以降の民俗学では風神や水神としての面が再評価された。現代では、妖怪事典や地域の伝承として紹介され、ゲームやアニメのキャラクターとしても登場することがある。ただし、その起源や詳細については諸説あり、確定していない部分も多い。
現代の妖怪研究では、一目連は「一つ目」の妖怪の中でも、特定の地域や一族に結びついた存在として扱われることが多い。風の神としての信仰は、伊勢湾沿岸の漁村で特に見られ、現在も一部の神社で祀られているという。しかし、その実態は不明な点が多く、史料に基づく慎重な検討が必要である。
伝承・史料Lore
長島城の怨霊: 伊勢長島城の落城に際し、城主の霊が一目連となって現れたという伝承がある。 風の神としての信仰: 伊勢湾沿岸では、一目連を風の神として祀る神社があり、漁業の安全を祈願したという。 江戸期の絵巻: 『画図百鬼夜行』などに、一つ目の鬼神として描かれ、風を起こす姿が表現されている。
出典・参考文献References
- 『画図百鬼夜行』 鳥山石燕 1776 — 一目連の項目
- 『和漢三才図会』 寺島良安 1712 — 一目連に関する記述
- 『妖怪談義』 柳田國男(講談社学術文庫) 1936 — 一目連の民俗学的考察
特集Collections
よくある質問FAQ
一目連とは何ですか?
一目連は、一つ目の姿で描かれる日本の妖怪で、伊勢国長島の城主の霊や風の神として伝承される存在です。
一目連はどこに現れますか?
主に伊勢国長島(現在の三重県桑名市)周辺の伝承に登場し、風を起こすとされています。
最終更新: · 編集: 百鬼編集室