大百足
大百足は巨大な蜈蚣の妖怪で、甲斐国から信濃国にかけての山中に現れ、人や家畜を襲うとされる。

- 分類
- 妖怪・虫
- 分布
- 甲斐国(山梨県)・信濃国(長野県)
- 姿
- 巨大な蜈蚣
- 性質
- 人や家畜を襲う、毒を持つ
解説Overview
大百足(おおむかで)は、巨大な蜈蚣の姿をした妖怪である。主に甲斐国(現在の山梨県)と信濃国(長野県)の国境にまたがる山岳地帯に現れるとされ、『甲斐国志』や『蕪村妖怪絵巻』などの史料にその名が見える。
その姿は全長数メートルに達するとされ、体は黒く光り、無数の脚で岩場を這い回る。龍や大蛇と同一視されることもあり、特に甲斐の大百足は「大蛇」として記される場合もある。
伝承では、この大百足は人を襲うだけでなく、家畜や鹿などの野生動物をも捕食するという。昔話では、大百足の体内には毒があり、触れた者は命を落とすとされる。また、大百足が通った後には草木が枯れるという話も伝わる。
時代が下ると、大百足は妖怪としてだけでなく、武士の武勇伝にも登場する。例えば、戦国武将・武田信玄が大百足を退治したという伝説や、江戸時代の浮世絵にその姿が描かれることがあった。
現代では、大百足は主に地域の伝承や妖怪関連の書籍、観光パンフレットなどで紹介されることが多い。特に山梨県では、大百足にまつわる民話が語り継がれており、地域の文化資源として活用されている。
また、大百足はその見た目の気味悪さから、現代の怪談やホラー作品にも影響を与えている。ただし、その起源は古い文献にさかのぼることができ、単なる創作ではなく、実際の蜈蚣への恐怖が妖怪化したものと考えられている。
なお、大百足の呼称は地域によって異なり、「大蜈蚣」「百足」「ムカデ」などとも呼ばれる。特に「大百足」という名称は、その大きさを強調するために後世に定着したものである。
伝承・史料Lore
甲斐国志の記述: 『甲斐国志』には、甲斐国と信濃国の国境に大百足が住み、人を襲うという記述がある。
武田信玄の退治伝説: 戦国武将・武田信玄が大百足を退治したという伝説が山梨県に伝わる。
蕪村妖怪絵巻: 与謝蕪村による『蕪村妖怪絵巻』には、大百足が描かれている。
出典・参考文献References
- 『甲斐国志』 1814 — 甲斐国の地誌。大百足の伝承が記載されている。
- 『妖怪談義』 柳田國男(講談社) 1938 — 大百足を含む妖怪伝承の考察。
- 『日本妖怪大事典』 村上健司(角川書店) 2005 — 「大百足」の項
- 『怪異・妖怪伝承データベース』 国際日本文化研究センター — 該当項目の各地事例(2026-09-19)
特集Collections
よくある質問FAQ
大百足とは何ですか?
大百足は巨大な蜈蚣の妖怪で、主に甲斐国と信濃国の山岳地帯に現れるとされます。
大百足はどこに現れますか?
主に甲斐国(山梨県)と信濃国(長野県)の国境の山々に現れると伝えられています。
大百足の弱点は何ですか?
伝承では特定の弱点は語られていませんが、武田信玄に退治されたという話があります。
最終更新: · 編集: 百鬼編集室