天井嘗
天井嘗は、夜に天井を舐めるように舐め回す妖怪で、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』に描かれた。

- 分類
- 妖怪
- 分布
- 不明(特定の地域伝承なし)
解説Overview
天井嘗(てんじょうなめ)は、江戸時代の妖怪画集『画図百鬼夜行』に描かれた妖怪である。名称は「天井を舐める」という行為に由来し、その名の通り、夜中に天井を長い舌で舐め回すとされる。鳥山石燕は『画図百鬼夜行』の「前篇」において、天井からぶら下がるようにして舌を伸ばす姿を描いている。石燕の絵では、天井に張り付いた妖怪が、部屋の上で舌を出している様子が確認できる。
天井嘗に関する記述は、石燕の絵以外にほとんど見られない。柳田國男の『妖怪談義』などにも直接の言及はなく、近世の妖怪辞典でも独立した項目として扱われることは少ない。そのため、天井嘗は石燕が創作した妖怪である可能性が高いとされる。石燕は、既存の伝承に基づかない妖怪も多く描いており、天井嘗もその一つと考えられている。
天井嘗の姿は、長い舌を持つ爬虫類のような妖怪として描かれることが多い。天井に張り付き、舌を伸ばして舐めるという行為は、不気味さや生理的な嫌悪感を催させる。この行為は、天井裏に潜む何かの気配や、古い家屋で聞こえる物音に対する恐怖心を象徴しているとも解釈できる。
現代では、天井嘗は比較的マイナーな妖怪とされるが、妖怪図鑑やウェブサイトで紹介されることがある。特に、天井を舐めるという特異な行為から、都市伝説やホラー作品のモチーフとして再利用されることもある。しかし、その起源や伝承については不明な点が多く、石燕の絵が唯一の主要な資料である。
天井嘗は、妖怪の多様性を示す例として、また江戸時代の妖怪画の想像力を示す例として、妖怪研究において言及されることがある。
伝承・史料Lore
『画図百鬼夜行』への登場: 鳥山石燕の『画図百鬼夜行』(1776年)に、天井から舌を伸ばす妖怪として描かれる。前篇に収録され、名称は「天井嘗」と記される。
創作物としての性格: 石燕の絵以外に確たる伝承がなく、創作妖怪である可能性が高い。柳田國男の『妖怪談義』などにも言及がない。
現代における受容: 妖怪図鑑やウェブサイトで紹介されることがあり、天井を舐めるという行為からホラー作品のモチーフになることがある。
出典・参考文献References
- 『画図百鬼夜行』 鳥山石燕 1776 — 前篇に「天井嘗」の図あり
- 『妖怪談義』 柳田國男(修道社) 1956 — 天井嘗への直接言及はないが、妖怪一般についての考察
- 『怪異・妖怪伝承データベース』(国際日本文化研究センター) — 天井嘗の項目は確認されないが、妖怪伝承データベースとして参照
特集Collections
よくある質問FAQ
天井嘗とは何ですか?
天井嘗は、夜に天井を舐める妖怪で、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』に描かれました。
天井嘗は実在する伝承ですか?
天井嘗に関する伝承はほとんどなく、石燕の創作妖怪である可能性が高いです。
最終更新: · 編集: 百鬼編集室